ナフコ式電気集塵機は原子力廃棄物焼却灰の捕集から貴金属回収まで幅広い範囲で利用されている針状放電極と平行平板式電極を特長とするユニークな装置であります。従来の電気集塵機に比較して消費電力が少なく又、装置形状が小さくそして種々の難しい用途にも安定した集塵効果を発揮できるものであります。
左図のように相対に配置された集塵極と放電極の両極間に直流高電圧をかけますと、放電極表面付近は強力な電界が生じガス分子の衝突電離が活発に行われ、陽イオンと陰イオンが発生し紫色のコロナ放電が生じます。
放電極付近は+電荷の小さい電離区域と-荷電の大きな区域とに分かれます。
この両極間の空間に微細な粉塵を含んだガスを通過させると大部分の粉塵は-に帯電しクローン力で集塵極へ移動し付着します。
又、電離区域に入った粉塵は+に荷電され同じ様に放電極に付着されます。
この様に両極に付着した粉塵は極板上で大きな集合体となり槌打装置でとり除かれます。
図1と図2が、今世紀の初めから実用化されているコットレル方式の基本的な構造を示したもので、無数の線状放電極が板状の集塵電極の中間に配置されており、通過ガス中の粉塵粒子が陰イオン化されて正極の集塵極板の表面に吸着されるものです。
この場合、線上電極を垂直に保つ為と下部に重なりをつけたりする為とに、機械的強度が要求され、放電線の断面積を増やして太い線が必要となります。
その為、集塵に必要なコロナ放電を得るためには高い電圧を与えなければなりません。
ナ フコ式電気集塵機の基本的な構造は図3・4にも示すとおり、針状の細い放電極をもった放電極板と集塵極板が対立した特殊な構造で、通過ガスの速度を増やし ても放電極が揺れ動くことがなく、シャープな放電針の先端からは強力なコロナ放電と共に強い電気風が起こり、逆帯電した粉塵粒子をはね飛ばすため放電極先 端の肥大は全く起こらず、放電極板の平等電界部には従来放電極線の肥大でなやまされていたものが強力に吸着されますから対立した集塵極板との間で正荷電粒 子と負荷電粒子の両方共に集塵され、従来の方法と全く異なった優れた効果を発揮します。
特長
型式/3HD-43
用途/空港焼却炉
ガス量/51,000N㎥/Hr
ガス温度/250℃
型式/4HD-18
用途/産業廃棄物焼却炉
ガス量/20,000N㎥/Hr
ガス温度/300℃
型式/3HD-77
用途/硝子溶解炉
ガス量/80,000N㎥/Hr
ガス温度/500℃
「ナフコエアロピュール湿式電気集塵機」は、放電極からのコロナ放電により荷電された排ガス中のばい塵等有害物質を、集塵極に移動させ集塵極での水膜又は水洗等により湿式捕集し、清浄な排ガスにする大気汚染防止装置です。
この湿式集塵機は、専門メーカーとして数多くの実績を持つ日本エアロピュール(株)との提携により製造販売するものです。
特長
機種 |
集塵極形状 | ガス流方向 | ヘッダー |
---|---|---|
円筒形 | 垂直流 水平流 垂直流 垂直流 | WTV WSH WSV WCV |
湿式円筒形電気集塵機は、自立円筒の内面を集塵極とし内部に多数の針状放電極を配列した設置面積が少なく、煙突が兼用できる画期的な機器です。
集塵極・放電極間の拒離を比較的長くしてある為、高電圧・低電流となり電力使用量は少なくてすみます。
排ガスは導入口より接線方向に入り螺施状に上昇し、大きな粒子は機械的作用により下部で、微細粒子は電気集塵作用により上部で均一な濡れ壁を形成した集塵極に移動し、底部まで流れ落ち排出されます。
濡れ壁形成にはノズルを使用していませんので、目詰まりの恐れもなく循環水でも問題なく使用することができます。
以上の様に全てにおいてシンプルな構造の為、圧力損失が非常に少なく保守・点検も容易であります。
湿式平板形電気集塵機には、ガス垂直流の堅型と水平流の横型があり、いずれも多数の平板形集塵極と針状放電極により構成されています。
これら電極部は非常に堅牢で高精度に組み立ててありますので、常に安定した荷電を行うことができます。
ばい塵等の粒子は、上部よりの噴霧水と一緒に集塵極へ移動し、底部まで流れ落ち排出されます。
噴霧方法には常時噴霧式と間欠噴霧式がありますが、いずれも少量の噴霧量で運転できます。
標準材質は、集塵板がステンレス及びFRP放電極がステンレス及びチタンですが、排ガス性状に応じて各種の耐食材料を使用することができます。
その他各種の関連機器と組み合わせて一体化することも可能で、さまざまなユーザーのご要望に合わせた設計を行うことができます。
湿式円筒多重形電気集塵機は、排出規制値の強化等により、基準値を満足できなくなった既設設備に組み込む様に開発した、非常に合理性に富んだ機器です。
集塵極と放電極は同心円上に設置されており、極間距離を比較的短くとってある為、外形の割に処理ガス量を大きくでき非常にコンパクトになります。
円筒ではありますが高精度に製作している為、安定した荷電を行うことが可能です。
標準材質は、ステンレスですが、排ガスに合わせた各種の耐食材量で設計することが可能です。
以上の様に、本機は既設設備と一本化して用いるだけでなく、自立塔としても巾広く適用することができます。
形式/WTV
用途/可塑剤ミスト
ガス量/9,000N㎥/Hr
ガス温度/60℃
形式/WSV
用途/産業廃棄物及びスラッジ焼却炉
ガス量/18,300N㎥/Hr
ガス温度/550℃
型式/WCV
用途/ガラス溶解炉
ガス量/50,000N㎥/Hr
ガス温度/60℃
型式/WSH
用途/都市ごみ焼却炉
ガス量/23,000N㎥/Hr
ガス温度/250℃
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